大井川用水路の施設について

大井川の水は、最近リニア中央新幹線工事の関係で大きな社会問題になっています。大井川は県中央部を南北に貫流しながら駿河湾に注ぐ延長68km、日本有数の急流河川であります。平均降水量は日本平均の2倍であり、上流部は森林資源に恵まれ、下流部は広大な扇状地となっています。上流部には14か所の水力発電所が稼働し、約22億kw(約61万世帯分)の電力を供給しています。

4月22日、大井川土地改良区の新任理事として、大井川用水路施設を見学しました。大井川土地改良区は、大井川地域の土地改良事業を行うことを目的として設立された公的法人であり、土地改良事業とは、農地の改良・整備や農業用水施設の新設・管理などを行う事業であります。当該組合は、大井川用水を利用する農業者(農地所有者)から構成され、範囲は4市1町、組合員数は約1万人で,受益者面積は約2,800ha 、受益者は10a当たり5千円を賦課金として負担しています(市助成あり)。

大井川用水は、中流域の川口発電所の川口取水工(島田市川口)から最大毎秒約35トンの水を取水し、下流域の8市1町(当該組合のほか4つの土地改良区)に配水しています。取水された水は神座分水工(島田市神座)で志太榛原地域と小笠地域に分水され、小笠地域には大井川水路橋を経て右岸地域(金谷、小笠、牧之原)に流れています。そして、志太榛原地域には旧島田地域の各幹線を経由し、六合細島の栃山頭首工で栃山川、志太幹線、及び榛原幹線に分水されます。初倉・榛原地域には、サイホンにより大井川地下トンネルで運ばれます。その後、各幹線や河川を経由し藤枝、焼津市を潤し駿河湾に注いでいます。

この大井川用水は、昭和22年から43年までの30年間をかけ国営事業として整備され、さらに平成11年から29年までの約20年間(事業費551億円)をかけて再整備がされてきました。当該用水は、農業用水のほか水道用水、発電用水及び工業用水との共用施設でもあり、さらに、かんがい目的だけでなく、市街地では火災用水源や地域住民の身近な水辺環境としての憩いの場も提供しています。この用水のお陰により、ザル田と言われた志太平野の田畑に、水の不足した小笠・牧之原地域に水が行き届き発展に繋がっています。今回の視察を通じて、日頃見落しがちな用水や河川について、改めて関心を持つ必要性を痛感しました。

川口取水工
島田市相賀の赤松幹線水路
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