5月17日、会派「清流の風」のメンバーで三重県伊賀市にある日本最大規模の風力発電施設を視察しました。中部電力グループである(株)シーテックが出資した(一部津市と伊賀市も出資)(株)青山高原ウインドファームが設置・運転している施設であります。場所は室生赤目青山国定公園内の山頂(標高約900m)で、琵琶湖から伊勢湾に風が抜ける我が国でも風の強い地域であります。施設は、青山高原風力発電所に750kwの風車20基(2003年~)が、新青山高原風力発電所に2,000Kwの風車40基(2016年~)が設置され合計で95,000kw(家庭55,000世帯分)の電気を供給しています。さらに、この周辺にはシーテックが直接運営する風力発電施設が3か所で、各2,000Kw×19基(2010年~)、3,000kw×2基(2019年~)、2,000Kw×8基(2006年~)が設置されています。この地域だけでも合計89基の風車を設置し、その他愛知県や秋田県(洋上風力)での施設を含め同社では114基を設置・運営しています。2,000Kwの風車の大きさは、タワ:高さ65m重量80t、ブレード(羽根):長さ40m、重量7.5t、ナセル(発電機):重量80tと巨大な装置であります。風車は、かつて国内でも製作されていましたが、現在は全て輸入品であります。風車の設置では、タワー、ブレード、及びナセルがそれぞれ陸路で運搬され、現地で組み立てられるため、設置には整備された道路が必要になるとのことでした。
売電額は22円/kw、1万円/時間、年間9,000万円の収益となるが、年間に何日稼働させるかが収益に直接つながるとのことでした。点検や修繕については、風の少ない5,6月に実施している。また、この青山高原には風力発電を学ぶための展示施設「風のめぐみ館」も設置され広く利用されていました。
島田市において、(株)シーテックが風力発電施設を本市と掛川市の境の山に設置する計画があり、現在風力に関する調査が行われています。2028年を目標に4,000kw風車を21基を設置する計画案で進められているとのことです。風力発電については、かつて騒音(低周波など)や山地開発の問題等が指摘されてきましたが、今回の視察した限りでは、風力発電についての問題は認められませんでした。再生可能エネルギーの普及が注目される中で、風力発電の導入について期待されるものであると感じました。