獣医学シリーズ1~マダニ媒介感染症に注意~

いわゆるダニは多くの種類がいますが、このうちマダニは野生動物等に寄生し吸血する外部寄生虫で一般に森林や草地に生息しています。このマダニは、多くの種類の病原性ウイルスや原虫等の病原体を保有し吸血により動物への感染を拡大します。私たちにも病気を起こす日本紅斑熱や ライム病等が知られていますこのうち、最近注目されているウイルス感染症である重症熱誠血小板減少症候群(SFTS)があります。本症はSFTSウイルスを保有するマダニに咬まれることで感染し発症します。本ウイルスはヒトだけでなく、犬や猫にも感染しますが、猫では特に重篤となり、発熱、嘔吐、黄疸等の症状を示し約6割以上が死亡します。血小板の減少が特徴的な症状であります。犬では不顕性感染が多いようですが、猫と同様の症状を示します。一方、ヒトにも感染し重篤な症状を示し、致死率10~30%程度と報告されています。発病した動物やヒトの体液からも感染することが知られていますので、本病に感染し発症した疑いがある場合には、充分な感染防止策を行う必要があります。治療としては、対症療法と抗生剤投与が効果的と言われています。確定診断には、専門機関や大学等でのウイルス学的診断が求められます。これからの季節、タケノコ堀、山菜取りなど山に入る機会が増えると思いますが、充分にダニ対策を行う必要があると思います。また、ペットを山等の自然の中で遊ばせることも多くなると思いますが、充分にダニ予防を行うとともに、遊んだ後にはダニが寄生していないかチェックすることも大切になります。感染の報告は西日本に多く、静岡県より東での報告はほとんどありません。静岡県では数年前から猫や犬での感染が確認されるようになっていますが、ヒトでの感染では2013年から現在までに13例の感染者が確認されています。外国では中国、韓国で報告がありますが、もともと東アジアそれぞれの国にあったと考えられています。

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