7月11日(火)に、鈴木学園中央調理製菓専門学校において静岡県が主催する令和5年度第1回ガストロノミーツーリズム研究会が開催されました。当研究会は昨年度から始まった事業で、昨年度は4回、今年度は6回開催予定であります。今回は、「オンリーワン!静岡産のウイスキーを世界に発信」として、ガイアフローディスティリング(株)代表取締 中村大航氏が講演を行いました。講演後、静岡産ウイスキーについてパネルディスカッションを行いました。パネラーは、講師に加えて、ふじのくに地球環境史ミュージアム館長 佐藤洋一郎氏、静岡県工業技術研究所研究員 袴田雅俊氏、高草ファミリー農産 小畑幸治氏の合計5名で行った。話題は、麦芽に使用する麦の栽培について(小畑)、県研究所が開発した発酵酵母(袴田)、使用する水のこと(中村)などであった。中村氏は清水出身で、2013年にウイスキーの輸入販売業をはじめ、2014年に静岡市玉川でウイスキー蒸留所を建設し、ガイアフローディスティリング(株)を設立した。2016年に製造免許を取得し、国内10か所目のスコッチウイスキーの製造を2020年から開始した。発酵槽を地元の杉材で、薪直火蒸留方式を採用し、貯蔵樽を富士山のミズナラで作成する予定である。また、原料となる大麦を焼津市で栽培し、輸入の2~3倍の価格であるが使用していくこととしている。販売にも力をいれており、公式サイトで宣伝するとともに見学コースや2日間スクールを開講するなど顧客数を伸ばしている。また、クラフトビールとのコラボによるイベントも開催している。さらに、近年では国産ウイスキーの輸出が大きく伸びており、市場は今後も大きくなってくると予想される。
ガストロノミーツーリズムとは:欧米を中心に普及している旅と食とをリンクさせた旅行スタイルの一種で、今後日本でも主要なツーリズムとして認知されていくものと思われる。特に、インバウンドと地方創生として大いに期待されている。静岡県では、このガストロノミーツーリズムを推進するにあたり、歴史、生産、料理、地理など様々な観点から講師を招き、地域観光につなげることを目的に研究会を開催しています。